映画「ナイル殺人事件」２０２２年版　あらすじ・ネタバレ・感想

映画「ナイル殺人事件」あらすじ

1914年の第一次世界大戦下、前線に配属されたポアロの所属する部隊は

決死の作戦を遂行するように命令される。

ポアロが風向きの変化を鳥の様子から見抜いたことで優位に立ち、

部隊は最低限の死傷者で済むが、上司がが敵の罠にかかり、

ポアロも重症を負う。

1937年、世界的な探偵となったポアロは

著名なジャズ歌手サロメ・オッタボーンが歌手を務める

ロンドンのナイトクラブで、ジャクリーンとその恋人サイモンに会う。

ジャクリーンはその場に現れた彼女の親友であり

大富豪として世界に名の知られるリネットにサイモンとの婚約を伝え、

彼の就職を頼む事に。

6週間後、エジプトで休暇を過ごすポアロは「オリエント急行」

での殺人事件の際に同行していた友人のブークとその母ユーフェミアと出会う。

ブークは友人の新婚旅行を兼ねた結婚パーティへ

参加するためにエジプトに来ており、ポアロをパーティへと招待する。

パーティはリネットとサイモンの結婚を記念したものであり、

参加者にはサロメとその姪ロザリー、

リネットの元恋人であり医師のウィンドルシャム、

リネットの幼馴染であり管財人として彼女に務めるアンドリュー、

彼女専属の看護師のバワーズとリネットの名付け親であるマリー、

そして使用人のルイーズが参加していた。

世界的な有名人であるポアロはリネットに快く迎えられるが、

その場に、ジャクリーンが現れたことで空気が一変する。

ジャクリーンからサイモンを奪った経緯を聞き

リネットから協力を依頼されたポアロはジャクリーンに接触し、

サイモンのことを忘れるようにと忠告するが・・・。

ポアロからジャクリーンの精神状態を聞いたリネットとサイモンは

新婚旅行の予定を変更し、関係者を客船「カルナック号」に乗せ、

クルーズ観光に切り替える。

2日目、「アブ・シンベル神殿」を観光中、

リネットとサイモンが2人でいる際に何者かによって落石が起こる。

一行が客船へと戻るとジャクリーンが船に？

夜、1人で部屋に戻るリネットを見届けたサイモンはジャクリーンを罵倒する

彼女は持っていた銃でサイモンの脚を撃ってしまう。

動転し自殺を試みるジャクリーンを止めたブークとロザリーは

彼女をバワーズに預け、ウィンドルシャムを呼ぶためにその場を離れる。

3日目、ルイーズがリネットの部屋を訪ねると、

こめかみを22口径の銃で撃たれたリネットの死体がベッドに横たわっていた。

サイモンから事件の解決を依頼されたポアロは早速聞き込みを始める。

海に投げ捨てられたルイーズの死体が発見され、更には友人である

ブークまでもが・・・何者かに首を撃たれ死亡。

ブークの死体にジャケットを被せたポアロは犯人の落とした銃を持ち、

関係者をラウンジに集めると、出入り口をすべて封鎖する。

ブークの死が犯人を教えてくれたと言うポアロは、謎解きを展開していく。

サイモンはジャクリーンに銃で撃たれたフリをして、

医師を呼ぶためにブークとロザリーがその場を離れた隙にリネットを殺害し、

ブークが戻る前に自身の脚を銃で撃ち偽装していた。

共犯であるジャクリーンが、犯人を見たルイーズとブークを殺害したと断定！

ポアロは、海から見つかったサイモンの傷口を抑えたハンカチに血ではなく、

赤色の絵の具が付着していたことを述べると・・・。

サイモンがリネットと結婚した理由は、リネットを殺害し相続した遺産で

ジャクリーンと悠々自適な生活を送る為であり、

2人はこの場を切り抜けようとするが、ポアロとサロメが銃を向けていることから

脱出を諦め、2人は抱き合いながら自分自身を撃ち死亡。

翌日、5人の死体とともに船を下りる乗客たち。

半年後、ポアロは自身のヒゲを剃り落とした状態で、

ロンドンのナイトクラブを訪れ、ただひとりサロメの歌声を聞いていた。

映画「ナイル殺人事件」感想

原作は、ミステリーの女王　アガサクリスティーの「ナイルに死す」

被害者に明確な殺意を持つ人間は鉄壁のアリバイ

徐々に明らかにされていく船内の人間模様とトリック

今作品は、今回で３度目の映像化となります。

１度目の映像化は映画で

１９７８年、ピーター・ユスティノフがポアロを演じました。

ナイル川で行ったロケにより、広大な映像美が印象的な映画でした。

２度目の映像化は、イギリスのテレビドラマで

２００４年、ドラマ「名探偵ポアロ」の第52話「ナイルに死す」

原作を研究し「最も原作に近いポワロ」と絶賛される

デヴィッド・スーシェがポアロを演じました。

この作品は多少の改変もありますが、クリスティによる原作準拠な作品。

3度目の映像化となる2022年の本作品。

ケネス・ブラナーがポアロを演じ、

ポアロを象徴する「ヒゲ」の過去についても独自の解釈が行われ、

更には、ポアロの親しい人物が殺人劇に加わる事により

より、人間味のあるポアロとして描かれています。

原作とは少しかけ離れてしまった感は否めませんが、

映像美としては素晴らしい出来。

しかし、個人的にはやはりポアロは、デヴィッド・スーシェ！

原作を知らない方でも、楽しめる作品となっています。